
40歳をすぎてから、こんなお悩みありませんか?
”この2~3年で5キロも太ってしまった!”、”ぽっこりお腹が邪魔をして30代のころのデニムが入らない!”、”ダイエットを始めて若いころよりもずっとヘルシーなものを食べてるのに、なかなか痩せない!”
私もそうでした! 30代まではやすやすと痩せられたのに、40歳を超えたら頑張っても頑張ってもなかなか痩せないのです。
私は知らなかったのでした。”40代になると急激に女性ホルモンが減ってしまうので、太りやすく、痩せにくくなる”ということを!
そこで今回は、痩せたい40代女性がダイエットに成功するために知っておくべき女性ホルモンの働きと40代からのダイエット方法についてご説明いたします。
この記事の目次
女性は40歳を超えると太りやすくなる!
40歳を超えると代謝が落ちてくるので、男女ともに太りやすくなる傾向がありますが、さらに、女性の場合は女性ホルモンの減少が影響して太りやすくなってしまいます。
では、女性ホルモンの減少が何故、太ることに影響を与えるのでしょうか?
それは女性ホルモンのエストロゲンが関係しています。
女性の美と健康をつくる「エストロゲン」
女性ホルモンのエストロゲンは、以下のように女性の美容と健康に貢献してくれるので、「キレイホルモン」とも呼ばれています。
- 女性らしい美しさを増す
- 肌のきめを整え、シミ、シワを防ぐ
- 肌荒れを解消する
- 髪の毛を豊かにする
- 血管の弾力性を保つ
- 骨の形成を促進し、骨量を維持し壊れるのを防ぎ、骨を保つ
- 自律神経の働きを良くする
- 活性酵素を抑制する
- 抗酸化作用によってアンチエイジングする
- 脂質代謝に作用して、中性脂肪を減らす、など
エストロゲンが減ると太る?
女性の美しさと健康をつくるエストロゲンはずっといつまでも無くならないでいて欲しいですよね。
でもエストロゲンは20代から30代前半までが最も多く分泌して、35歳からゆっくりと減っていきます。
そして40代からは急激にガクンと減るのです!
エストロゲンが減るということは、美容と健康への働きが弱まっていくということです。
したがって、”脂質代謝に作用して、中性脂肪を減らす”働きも弱まるということなので、30代よりも中性脂肪が溜まりやすくなり、太りやすくなってしまう傾向になるのです。
つまり40代になってから太りやすくなったのは、エストロゲンの急激な減少が影響していると言えるのです。
体調にも変化が起こる40代
40代は体型だけではなく、体調にも変化が起こってくる時期です。
女性ホルモンは脳の視床下部からの命令を受けて卵巣から分泌され、血液に乗って全身に送られることで、健康を守っていますから、女性ホルモンが減ることによって健康にも影響がでてきます。
ここで無視できないのは「更年期」という閉経をはさんだ10年間の期間です。
日本人女性の閉経は50歳から52歳が多いので、50歳が閉経とすると45歳から55歳の時期が「更年期」になります。
ということは、更年期は女性ホルモンが急激に減る時期でもあるので、エストロゲン減少による健康への影響を受けて、さまざまな体調不良が起きてきます。
これらはいわゆる「更年期症候群」と呼ばれている現象で、その程度は個人差があります。
(以前は「更年期障害」と呼ばれていましたが、障がいではないので、「更年期症候群」とあらためられたそうです。)
”のぼせ・ほてり・発汗”が典型的な症状ですが、いずれも自分の身に初めて起こるので、驚いたり、不安になったりすることでしょう。
私もすごく不安になりましたが、更年期に起こることを知ることによって心配しないようになり、乗り越えることができました。
ですからあなたも更年期にはこういうことが起きるものだということを知っておいてください。
- 汗をかきやすくなる
- 体が冷える
- 寒気がする
- 急にのぼせる(ホットフラッシュ)
- めまいがする
- 寝ている時や昼間に突然、心臓の動悸が激しくなる
- 倦怠感、不安、憂うつ、不眠など
- 肌の乾燥、脱毛、薄毛など
- 骨量の減少、血管の衰え、など
ところで、40歳すぎてからの健康診断で、コレステロール値が急に上がったという結果が出ることがあります。これもエストロゲンの減少が原因です。
女性ホルモンは体内のコレステロールを原料にして作られています。ですから40代になって女性ホルモンが減ると、原料のコレステロールを使わなくなって余ってしまうので、血中のコレステロール値が増えてしまうので、コレステロール値が上がってしまうのです。
更年期の女性はそもそもコレステロール値が高めなのは当然で、薬で下げる必要のないケースも多いものです。特に、女性は悪玉コレステロール(LDL)の値が高くても、男性のように動脈硬化を進行させないということがわかっています。出典:産婦人科医・臨床心理士 吉野一枝著「40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本」(P.90-P.91、永岡書店、2015年10月10日初版発行)
すなわち、40代になったらエストロゲンの減少のせいでさまざまな体調不良が起こってくるがそれは誰にでも起こることなので、あまり過剰に反応しないようにしましょう。
ただ、”これは産婦人科を訪問していろいろと相談する良い機会”と考えてみてはいかがでしょうか。
40代がダイエットに成功するには
エストロゲンが減少するので太りやすくなるというのなら、”エストロゲンを増やせば太りにくくなる?”ということでしょうか?
それは違います。エストロゲンの分泌が減少すると、中性脂肪値も上がる傾向があるということだけであり、直接的に関係ないのです。
実際、40代を超えて太ってしまう人もいれば、若いころの体型をキープしている人もいます。
しかも、標準体型またはやせ型の40代なのに中性脂肪値だけが上がってしまう人も少なくありませんから、中性脂肪値の上昇と太ることとは関係ないと言えます。
あくまでも40代が太りやすくなる直接的な原因は、基礎代謝が低下してしまうことにあります。
しかも40代の日常は仕事や家庭においていろいろと忙しいために、食事が不規則になり、ストレスが溜まったり、運動不足や睡眠不足など生活習慣が乱れたりと、いろいろな原因が重なることによって、太りやすくなってしまうからです。
逆に、エストロゲンが多ければいいというものではありません。
実は女性ホルモンには2種類あって、もう一つのプロゲステロンとエストロゲンとが互いにバランスよく分泌することで女性の体が健全に保たれています。
しかし、プロゲステロンに比べて、エストロゲンが多くなりすぎると、乳がんや子宮体がんのリスクがあがってしまうのです。
ですから、エストロゲンをいたずらに多くする必要はありません。
ただ、エストロゲンが減ることによって起こる不調や、太りやすくなってしまう傾向は避けたいものですよね。そのためにエストロゲンを増やして、急激な減少を穏やかにしましょう。
エストロゲンを増やすためには、今の食事や生活習慣を見直して栄養バランスのとれた食事をし、質の良い睡眠をとり、毎日適度な運動をしてエストロゲンの分泌を増やしていくことが必要です。
エストロゲンの分泌を増やす食事
エストロゲンを増やす栄養素は植物性イソフラボン、ビタミンE、ビタミンB6です。それらが含まれた食品の中でもダイエットに良い低カロリー、低脂肪、低コレステロールの食品を選びましょう。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きがあります。納豆、豆腐、おから、味噌を食べてエストロゲンを増やしましょう。
ザクロや山芋にも植物性のイソフラボンが含まれています。
卵巣から分泌されるエストロゲンですが、卵巣の老化を防いでいるのがビタミンEです。ビタミンEを多く含んでいる食品は、パプリカ、モロヘイヤ、アボカド、かぼちゃ、アーモンドなどです。
ビタミンB6は、たんぱく質をエネルギーに変換したり、筋肉や血液などをつくるのをサポートする栄養素ですが、エストロゲンの代謝にも貢献しています。ビタミンB6を多く含む食品は、ブロッコリー、バナナ、ニンニク、サンマ、カツオ、マグロの赤身です。
質の良い睡眠を7時間以上とる
睡眠時に分泌される成長ホルモンはエストロゲンの分泌も促してくれます。成長ホルモンが最も分泌されやすい午後10時から午前2時までの間には就寝しているようにして、質の良い睡眠を7~8時間とれるように生活の時間を調整しましょう。
体と心をいたわる
ハッキリと言って、40代からは体が衰え始めるということです。老化を無理に食い止めるのではなく、年齢を重ねることを受け入れて、それなりに対処していくことを考え始めましょう。
まずこれからは、頑張りすぎない、無理しないことです。自分で何もかもやらずに他の人たちに助けを求めることや、委ねることをしていきましょう。
体の冷えや、ストレスと休養不足を解消して、エストロゲンを分泌する卵巣の機能を回復させましょう。
血流を良くして卵巣の働きを促しましょう。そのためにもウォーキングなど有酸素運動を毎日行いましょう。
まとめ
いかがでしたか。40代からは女性ホルモンが急激に減ることの影響で、太りやすくなってしまうことがあります。ですから40代のダイエットを成功させるためには、女性ホルモンを正しく理解したうえで、太りやすくなっている今の食事や生活習慣を見直していくことが必要です。40代は人生の折り返し地点です。これからも美しく健康でスリムな体をキープして人生を楽しんでいきましょう。
参考文献:産婦人科医・臨床心理士 吉野一枝著「40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本」(永岡書店、2015年10月10日初版発行)