
”脂肪の吸収を抑える”、”体脂肪を減らす”、”血中コレステロールを減らす”など、さまざまなダイエット・ティーがブームになっていますが、本場、香港の美容やダイエット志向の強い女性の間では、ウーロン茶よりもプーアル茶の方が断然人気があるそうです。
そこで今回は、日本ではまだあまりなじみのない、プーアル茶について、そして気になる健康・美容とダイエット効果についてご紹介します。
この記事の目次
プーアル茶とは?
上記の写真でドーナッツのように見えるものがプーアル茶で、茶餅と言います。(茶餅をその都度必要なだけ崩して、茶葉を取り出します。)
もともとは緑茶で、中国・雲南省の「雲南大葉種」と呼ばれる緑茶を発酵・熟成させて作ります。
プーアル茶には熟茶と生茶があり、生茶の水の色は黄色で苦味と渋味のある味わいですが、熟茶は水の色が褐色で独特の甘みと、とろみが特徴です。日本で飲まれているプーアル茶は熟茶の方です。
日本の食卓に緑茶があるように、香港や台湾、広州ではお食事の時にプーアル茶を飲むのが一般的だそうです。
それはプーアル茶が昔から健康に良いとされていることや、中国の脂っこい料理の油を流すためにも飲まれているためだからです。
そうなんです! プーアル茶は脂っこい料理の油を流し、脂肪が体に吸収されるのを抑えるというダイエット効果があるのです!
油分の多い食事には中国茶が合うということで、日本ではウーロン茶が親しまれていますが、香港の友人によりますと本場では、プーアル茶(熟茶)のダイエット効果が注目を浴びているそうです。
なぜ、プーアル茶にはダイエット効果があるの?
プーアル茶はカロリーも糖質もありませんからそれだけでもダイエットに最適な飲み物なのですが、プーアル茶独特のダイエット効果がある成分が含まれているということです。それらの成分はどのような効果があるのでしょうか?
脂肪が体に吸収されるのを防ぐ
プーアル茶は緑茶を発酵させて作りますが、発酵させる過程で緑茶カテキンは、重合型ポリフェノールへと変化します
この重合型ポリフェノールが脂肪の吸収を防ぐダイエット成分なのです。
では、重合型ポリフェノールがどのように脂肪の吸収を防ぐのか、その働きを順に見てみましょう。
脂っこい食べ物を食べると、以下のように脂肪が体内に吸収されてしまいます。
- 脂っこい食事を食べる=脂肪を摂取
- 十二指腸で胆汁が脂肪を乳化する
- 消化酵素のリパーゼが乳化した脂肪を分解する
- 分解された脂肪が体に吸収される
重合型ポリフェノールは、このリパーゼの働きを阻止します。
したがって、脂肪は体に吸収されずにそのまま流れ出ていくのです!
食後の血糖値の上昇を穏やかにする
食後に血糖値が急上昇する食生活を続けていると、糖尿病や肥満を引き起こすことになりますが、プーアル茶に含まれる緑茶カテキンには、食後の血糖値の上昇を穏やかにする働きがあります。
というのは、カテキンには消化酵素の働きを弱める作用があるので、消化に時間がかかるようになるため、食後の血糖値の急上昇を抑えることができるというわけです。
ただし、この働きを有効にするためには、糖質とカテキンが同時に消化吸収される必要があります。
したがって食事をしながらプーアル茶を飲むというスタイルが効果的ですから、食後にプーアル茶をがぶ飲みしても効果はありません。
また、よく噛んで食べないと胃に負担がかかるので、プーアル茶でお茶づけにして、流し込んで食べるようにしないでください。
プーアル茶の美容と健康効果
脂肪の吸収を抑えたり、血糖値の急上昇を抑えたりするプーアル茶には、ダイエット効果の他にも女性に嬉しい美容と健康の効果もあります。
ただし、いずれもプーアル茶を飲む習慣を続けていくうちに現れる効果ですから、即効性はありません。
便秘解消
プーアル茶に含まれる酵素が腸内の善玉菌の働きを助けて、悪玉菌の働きを抑え、重合型ポリフェノール(緑茶カテキン)が腸内の悪玉菌だけを殺してくれますので、便秘が解消されていきます。
そして嬉しいことに便秘が改善されると、肌の状態も良くなります。
デトックス効果
カフェインの利尿作用によって、体内の老廃物や毒素を排出します。
プーアル茶に含まれるカリウムが体内の過剰な塩分を排出しますから、それにともない、体内のムダな水分が排出されるので、むくみがとれます。
血流を良くする
プーアル茶に含まれる鉄分が酵素や体のエネルギーを運搬してくれるので、血流を良くします。
血流が良くなれば、新陳代謝が活発になりますので、壊れた細胞の修復や再生が進み、アンチエイジング効果があります。
美肌効果
便秘が解消されたり、体内の老廃物と毒素がデトックスされるだけでも、荒れた肌の新陳代謝が活発になって、美肌へと変わっていきます。
また、重合型ポリフェノール(緑茶カテキン)が老化の原因となる活性酵素の発生を抑えてくれるので、肌の老化を遅くしてくれます。
プーアル茶に含まれるビタミンB2は皮膚や粘膜を健康にしますし、ビタミンB6は健康な細胞を作ってくれますから、美肌になることができます。
冷え性の改善
プーアル茶は緑茶を発酵した発酵食品ですので、体を温める効果があります。
脂肪が吸収されることを防ぐということは、血液中に脂肪やコレステロールをためこまないので、血液がどろどろになりにくいです。
タンニンや鉄分が血流を良くして新陳代謝を活発にすることで、末端まで血液が行き届いていき、手足を温めます。
なお、冷え性の方は、アイスではなく温かいプーアル茶を飲んでください。
免疫力アップ
重合カテキンの殺菌作用で体内のウィルスを殺しますから免疫力が上がります。
したがって風邪をひきにくくなったり、食あたり、水あたりなどへの抵抗力もつきます。
花粉症などのアレルギー体質の改善にも役立つと言われています。
プーアル茶ダイエットの方法
「毎日の食事中と食後にプーアル茶を飲む」ただ、これだけです。
でも、プーアル茶を飲めば飲むほどダイエット効果が上がるということではありませんし、飲み過ぎも良くありません。
それではあらためて、プーアル茶の淹れ方(いれかた)と飲み方をご説明します。
プーアル茶の淹れ方
日本ではプーアル茶は茶葉でもティーバックの形でも販売されていますが、茶葉からの淹れ方をご説明します。
茶葉の量は、300ccのポットに3gくらい、500ccのポットなら5gくらいが目安です。
熱湯をそそぎ、1分くらい抽出してから飲みます。
しかし、これでなければいけないという訳ではなく、熱湯を入れれば茶葉を取り換えずに何回も飲めますので、茶葉の量、お湯の量、抽出時間を変えてみて、いろいろな味わいを楽しんでください。
ダイエットのための飲み方
飲む量の目安は、食事中にコップ1杯程度、食後に1杯から2杯で十分です。
また、空腹時にプーアル茶だけを飲まないようにしましょう。胃液が多く出過ぎて胃が荒れる可能性があります。
プーアル茶の一日の摂取量は1000ccまでにとどめましょう。
ホットでも冷やしても効果に変わりはありませんが、冷え性の方は冷たくしない方がいいです。
なお、プーアル茶のダイエットには即効性がありませんから、短期間で痩せることは期待できません。
ただし、これまで食事のときにコーラや甘いドリンクを必ず飲んでいたという方が、飲み物をすべてプーアル茶に変えるというのなら、短期間での変化が期待できます。
また脂っこい食事が大好き、もしくは、炭水化物・糖質をたくさん食べているために太っているのなら、脂っこい食事や炭水化物・糖質を減らして、プーアル茶を飲むようにすると、体重や体脂肪が割とすぐに減っていくことでしょう。
ただし、いくらプーアル茶にダイエット効果があると言って、プーアル茶さえ飲んでいれば、毎日脂っこい食事を食べたり、炭水化物を・糖質をたくさん摂っても太らないなどと思わないでください。
プーアル茶を食事中に飲むことは、あくまでもダイエットのサポートとして考えていただきたいのです。
そして普段の食事を食物繊維が多く、ビタミンやミネラルのバランスが良い植物性食品中心の低カロリー、低脂肪、低コレステロールにして、食べる量は腹8分目で抑えることを心がけてください。
このような食事をしたうえで、プーアル茶を食事中に飲むようにすれば、体も太りにくい痩せ体質へと変わっていくことでしょう。
プーアル茶を飲むときの注意点
プーアル茶はもともとが緑茶ですので、カフェインが入っていますが、カフェインの量は日本茶(緑茶)の半分くらいですから、食事中に料理の脂分を流すために飲む分には気にすることはありません。
でも、空腹のときにプーアル茶だけを飲むと、胃液が多く出過ぎて胃が荒れる可能性がありますので、プーアル茶はあくまでも食事をしながら飲みましょう。
また、カフェインの過剰摂取を避けるように指導されている妊婦さんや授乳中の方は、プーアル茶ダイエットは避けた方がいいでしょう。
普通の方でも、プーアル茶の一日の摂取量は1000ccまでとしておき、飲み過ぎないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか? 香港の友人が、日本でこれほどの健康茶ブームなのに、プーアル茶があまり注目されてないのが不思議だと言うので、プーアル茶の効果について調べてみました。プーアル茶は脂肪の吸収と血糖値の急上昇を抑える点ですぐれたダイエット効果があるばかりか、デトックスや美肌効果など女性に嬉しい効果があります。即効性はありませんが、脂っこい食事が好きな方や、甘い飲み物をよく飲む方は、ぜひプーアル茶を飲んでみてください。大きな違いが期待できますよ。