
ハリウッドセレブやスーパーモデルの美しい体型を維持するために食べられているという「キヌア」をご存知ですか?
キヌアは、アワ(粟)、ヒエ(稗)、キビ(黍)などと同じく雑穀に分類される植物ですが、低カロリーなのに少量で満腹感が得られ、栄養が豊富で健康的なダイエットに最適な食材です。
そこで今回はキヌアのダイエット効果と、失敗しないキヌアダイエットの方法についてご説明します。
この記事の目次
キヌアの栄養と効果

キヌアは南米のペルー、ボリビア、エクアドルが原産で、アワ、ヒエ、キビなどと同様に穀類に分類されていますが、実はホウレンソウやビートと同じ仲間の植物なのです。
数千年も前から食用として栽培されているこのキヌアは近年、海外セレブや有名モデルがキヌアを食べてダイエットしているということから注目され、2013年の「国際キヌア年」以来、ヘルシー志向の日本人の間で食されるようになってきました。
特に注目されているのは、キヌアには豊かな栄養があるのに、低カロリーのヘルシーなダイエット食材であることです。
それではキヌアにはどんな栄養成分があってどのようにダイエットに効果的なのでしょうか。
白米よりも数倍も栄養があって低カロリー・低糖質
キヌアの栄養価の高さを知るために、精白米の栄養と比べてみましょう。
キヌアは白米よりもタンパク質が2.3倍、脂質が6.7倍、食物繊維が14倍、カリウムが6.4倍、カルシウムが9.4倍、マグネシウムが8.6倍、リンが4.9倍、鉄が5.7倍となっています。(ウィキペディア「雑穀他の栄養価」を参照して計算)
100gあたりのカロリーは、キヌアは368㎉、精白米が356㎉とキヌアの方が12㎉多いものの、炭水化物はキヌアが64.2g、精白米が77.1gとキヌアの方が下回ります。
しかも、キヌアは炊くと5倍も膨張しますので、20g食べれば十分ですから、カロリーは73.6㎉と低カロリー、そして炭水化物も12.8gになりますから、低カロリー・低糖質でありながら栄養を豊富にとることができます。
必須アミノ酸を全種摂れる
私たちの体の骨、歯、臓器、筋肉、血管、皮膚、爪、髪の毛などみんなタンパク質で出来ています。消化酵素などの酵素を作ったり、免疫機能を高めたりする働きをしてくれるのもタンパク質です。
そしてタンパク質は20種類のアミノ酸によってつくられています。そのうち9種類は必須アミノ酸*と呼ばれ、体内では十分な量を合成できないので、毎日の食事から取り入れる必要があります。
(*必須アミノ酸・・・トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン)
キヌアは必須アミノ酸の9種類すべてを含んでいます。
実はアミノ酸は、毎日新しいアミノ酸と入れ替わって体を維持しているので、毎日アミノ酸(タンパク質)を摂ることが健康につながります。しかも、脂肪のようにアミノ酸は体内に蓄えておくことができませんので、なおさらアミノ酸を毎日摂取することが大事になってくるのです。
だから必須アミノ酸をすべて含んでいるキヌアを食べることは、とても健康にいいということになりますし、低カロリーですから、カロリーや脂肪分の高い肉類からアミノ酸(タンパク質)を摂るよりヘルシーでダイエットのためになるのです。
グルテンを含んでない
キヌアにはグルテンが含まれていないので、グルテンアレルギーや小麦アレルギーの方の主食として最適です。
キヌアのダイエット効果

キヌアの栄養成分のなかにはダイエット向きの栄養素がたくさん含まれています。
豊富な食物繊維が老廃物を排出、痩せる菌を増やす
キヌアに含まれている豊富な食物繊維が、腸内をきれいにお掃除して老廃物を体外に排出してくれますから、便秘が改善され、新陳代謝も良くなり、体重も減ります。
腸内細菌の善玉菌と痩せる菌を増やしてくれますから、食べても太りにくい体へと変わっていきます。
また、食物繊維は体内で膨張するので満腹感を得やすくなりますから食べ過ぎを防止し、太るのを防ぎます。
血糖値を安定させる
キヌアはGI(グリセミック・インデックス)値が低い食品ですから、体内で糖に変わって血糖値が上昇するスピードが遅いのです。白米のように食べたら血糖値が急激に上がるということはありません。
血糖値が急激に上がるとそれを早く抑えようと、インシュリンが大量に分泌されてしまうので、インシュリンが余ってしまいます。そして余ったインシュリンは脂肪に変わって体内にため込まれてしまいます。溜め込まれた脂肪によって私たちは太ってしまうのです。
キヌアのGI値が35なのに対して、白米は84、食パンは91、うどんは80、パスタは65ですので、キヌアは普通の主食の半分以下ですから、どれほどダイエットに効果的かわかりますよね。
ちなみにキヌアのGI値が低いのは、キヌアに含まれる豊富な食物繊維が糖の吸収を抑えてくれるからなのです。
タンパク質が炭水化物を燃やす、代謝を上げる
キヌアに含まれるタンパク質は白米よりも2.3倍、ハト麦、オートミール、アマランサスなどの穀類をおさえて第一位のタンパク質含有量です。
タンパク質は炭水化物を燃焼させてくれます。
キヌアの炭水化物は100gにつき64.2g、白米は77.1gですから、キヌアの方がすごく炭水化物が少ないというわけではありませんが、キヌアなら炭水化物を燃やすタンパク質が豊富なので、主食を白米からキヌアに変えることによって余計な炭水化物を摂らなくてすむようになります。
また、タンパク質は代謝を上げ体内の脂肪を燃焼させますから、主食を白米からキヌアへと切り替えることでダイエット効果が表れます。
むくみを改善する
カリウムは体に溜まった水分を排出してくれるので、むくみを改善する栄養素ですが、キヌアには白米の6.4倍ものカリウムがあります。
不飽和脂肪酸がコレステロールを抑制
キヌアに含まれるオレイン酸という不飽和脂肪酸は、コレステロール値を下げる働きがあります。
しかも善玉コレステロールは下げませんので、体に良いコレステロールは残してくれて、動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールのみを下げてくれるのです。
悪玉コレステロールが減ると体重も減りやすくなります。
女性にとって嬉しいキヌア効果
キヌアには女性の味方とも言える栄養素が含まれていて、女性らしさを作り上げたり、不調を改善したり、肌や髪の毛の美容効果を助けてくれるのです。
女性ホルモンに似た働きをするフェイエストロゲン
キヌアにはフェイエストロゲンという女性ホルモンに似た働きをする植物性のエストロゲンが含まれていて、女性の体調や肌の調子を整えてくれます。
- 生理に関する痛みや不快感の緩和
- 不妊の改善
- 更年期障害の症状を改善
- 骨粗しょう症を予防
- 生理周期によるホルモンの乱れを整える
- 女性らしい体型をつくる
- 肌や髪を再生する
女性特有の不調を改善する
キヌアに含まれるビタミンEと鉄分が冷え性を改善します。
ビタミン類の抗酸化作用によって、シミなどを防ぎます。
鉄分が貧血を予防し生理痛を緩和します。
必須アミノ酸のリジンが肌を再生させて、免疫力を高めてくれます。
失敗しないキヌアダイエットのやり方
毎日の主食をキヌアに置き換えることが、キヌアダイエットです。
つまり、白米やパンの代わりにキヌアを食べて低カロリー、低糖質、高たんぱくの食事に変えることです。
ただし、キヌアダイエットには急激に痩せるというような即効性がありませんし、大幅に体重が減るというわけではありません。
炭水化物の食べ過ぎを減らしたいとか、主食の白米や白パンが大好きでどうしても痩せられないというような方に向いています。
また、ダイエットに成功した後に体型を維持するためには、キヌアダイエットが最適です。
ただし、普通に食べている食事にキヌアを足すことがキヌアダイエットではありません。
キヌアは白米とカロリーが変わりませんので、たくさん食べたら意味がありません。20gが目安です。
キヌアの買い方食べ方
現在日本で食べられているキヌアは南米からの輸入ものが主流で、まだ一般的ではないので、一部の店舗や通販でしか購入することができません。
国産のは山梨県でキヌアの栽培が始まっており、ネット通販されているそうです。
キヌアの調理の仕方
お米と同じように炊飯器で炊くことができますが、注意点がいくつかあります。
(1)よく洗う
キヌアの外側の種子の部分にはサポニンという苦み成分が含まれていますし、サポニンは赤血球を破壊すると言われているので、よく洗って取り除きましょう。
サポニンからは泡が出るので、泡が無くなるまでしっかりと洗ってください。
(すでにサポニンを除去した状態で販売されているキヌアもあります。)
(2)水を加える
キヌアだけで炊く場合は、キヌアの量と同量から1.5倍の量の水を入れます。
キヌアと白米を混ぜる場合は、白米1.5合+キヌア0.5合+水2合とします。
柔らかめにしたい場合は水の量を増やしてください。
(3)炊飯器で炊く
隠し味として料理酒を大さじ1加えるとマイルドな風味がつきます。
水が少なめだとプチプチの食感に、水を多めにすると柔らかくふわっと仕上がります。
鍋で茹でる場合は、キヌアと水を入れて、ふたをして強火にかけ沸騰したら弱火にして10分から15分ゆでます。
まわりに輪のように見える白いひげが浮いてきて半透明になったら茹で上がりです。ざるにあげてお湯を切ります。
キヌアを食べる量
キヌアは水分を含むと膨張しますから、一食20g程度にしましょう。むしろ食べ過ぎるとカロリーや糖質は白米と変わりませんので、少量を食べることを心がけてください。
キヌアは何にでも合う食材
南米ではスープに入れたり、粉にしてパンのようにして食べるそうですが、キヌアは炊いても、煮ても、いためてもおいしく食べられます。
また、おかずに足したり、混ぜたり、トッピングにしたりという食べ方ができます。
少量で満腹感を得られますので、ダイエットのために食事の全体量を減らしたい場合に好都合です。
たとえば、ハンバーグのつなぎとして、餃子の具として、キヌアのそぼろ、チャーハンの白米を減らしてキヌアを混ぜるなど、調理中に混ぜることができるメニューであれば何でもOKです。
キヌアの作り置き
キヌアはいろいろな料理に使えますので、大量に作り置きしておくと便利です。
密閉容器や密閉袋に入れ、冷蔵庫で2、3日間保存できます。
冷凍なら2~3週間保存できますから、使う分だけ小分けにしておいて自然解凍かレンジで解凍して、またはお鍋で湯せんします。
まとめ
いかがでしたか。キヌアは少量でも膨らんで満腹感をもたらし、食物繊維やタンパク質というダイエットに欠かせない栄養が豊富に含まれています。主食の置き換えとしてキヌアを食べることでダイエットになるばかりか、健康効果や美容効果も期待されるスーパーフードです。いろいろな食事と相性がいいので作り置きなどをしていろんなメニューで楽しみましょう。