
あなたは毎日お風呂に入りますか? それともシャワーですましてしまいますか?
痩せたいのなら、シャワーですませてはいけません。入浴にはすごいダイエット効果があるのです!
そこで今回は、お風呂に入るだけでラクに痩せられる入浴ダイエットの方法と入浴による血流改善効果についてご説明します。
この記事の目次
毎日お風呂に入ると起こるいいこと7つ
日本では毎日お風呂につかるというとても素晴らしいダイエット&健康習慣があります。
というのは欧米人に比べて基礎体温が低い日本人は、毎日お風呂につかって体温を上げ、全身によく血液がめぐるようにした方がいいからなのです。
さらに、毎日入浴するとこんなに素晴らしい効果が7つもあるのですよ。
代謝が上がる、脂肪が燃焼する
体温が1度上がると、基礎代謝が12%上がるので、お風呂に入って体を温めて体温を上げれば、血流が良くなり、基礎代謝が上がります。
基礎代謝が上がると、体にたまった脂肪が燃焼しますから、痩せます。
さらに、体が温められるので、冷え症や低体温症の改善も期待できます。
むくみが解消される
血液やリンパの流れが悪くなると、体に老廃物がたまりやすくなります。
体に老廃物がたまると、代謝が落ちて脂肪を燃やせなくなるので体がむくみます。
ところが、入浴して体を温めれば、血液やリンパの流れが良くなるので、体にたまった老廃物を排出することができ、むくみが解消されるのです。
成長ホルモンが出て、痩せる
お風呂で体が温まると、副交感神経という自律神経が刺激されます。
副交感神経が刺激されると、体がリラックスモードになって寝つきが良くなり、熟睡できます。
このように睡眠の質が良くなると、成長ホルモンが分泌されるので、痩せやすくなります。
免疫力が上がって、病気を予防できる
体温が上がると免疫細胞の一種であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化されます。
このNK細胞は、がん細胞や病原菌を発見し、退治する細胞なので、体内にウイルスが侵入したときに、ウィルスと戦い、退治してくれますから、病気が発症しにくくなります。
また、体を温めることで、リンパ球も増加しますが、リンパがもっている免疫増強効果によって、ウィルスなどに感染しにくくなりますし、治癒力も高まります。
風邪をひきそうだなと思ったら、入浴して体をあたためてください。
肌が若返り、美肌になる
入浴して体が温まると血流が良くなりますから、体中の細胞へ血液がめぐっていくようになります。
そして細胞の新陳代謝が促進されますので、肌が若返ります。
メラニンの生成を抑えることができますから、シミなどの色素沈着を防ぐことができます。
お肌をぷるぷるにするコラーゲンは、紫外線を浴びたり、年齢を重ねることによって減少していき、肌のみずみずしさやハリが失われていきます。
でもお風呂で体を温めて血を巡らせることによってコラーゲンが生成されますので、美肌になることができます。
気持ちが前向きになる
体温が上がり、全身に血がめぐることで、細胞が生き生きしますから、行動力が上がり、気持ちが前向きになります。
ですから落ち込むようなことが起こった時は、悩まずにお風呂に入りましょう。
疲れにくくなる
週に一度くらい長めの入浴をして体温を上げて、風呂から上がったらその体温をさげないようにバスローブや毛布などで全身をくるんで15分間ほど保温してください。
そうすると体の修復をするタンパク質、HSP(ヒートショックプロテイン)が分泌され疲労を回復します。
脳内では「エンドルフィン」と呼ばれる神経伝達物質が作られて、このエンドルフィンが、疲労や痛みを緩和してくれます。
また、疲れを感じる物質、「乳酸」の産生が遅れるので、疲れにくくなります。
ですから、週に1度くらいHSPを出す入浴法を行ってみてください。
体調を崩しても、回復するのが早くなりますし、すぐに元気を取り戻すことができます。運動能力も向上します。
痩せ効果を上げるHSP入浴法
いかがでしたか? お風呂に入って体を温めることは、痩せ効果だけではなく、美容にも病気予防にも、そして疲労回復にも効果的だということでしたね。
ここではそれらの効果をもっと高めるための特別な入浴法、HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法について詳しく説明します。
HSP(ヒートショックプロテイン)とは?
HSP=Heat(熱)Shock(刺激)Protein(タンパク質)/ ヒートショックプロテインとは、熱による刺激で増えるタンパク質、「熱刺激タンパク質」のことです。
人間の体のあらゆる組織や細胞は、タンパク質でできています。
しかし私たちは日常生活において常に活性酵素や紫外線、ストレスを受けていますからタンパク質は常に傷つけられています。
また病気などさまざまな原因で、タンパク質がいちじるしく傷ついてしまうと、組織や細胞が正常に働くことが出来なくなってしまいます。
HSPは、このようにタンパク質が傷ついたときに生まれてくる、「タンパク質を修復するためのタンパク質」です。
要するに、傷ついたタンパク質が自己回復力を高めるタンパク質を自分で作って、自分の細胞を修理して、強化するという性質の物質なのです。
ですから実はこうしている今でも、私たちの体の中では、HSPが懸命に働いて、タンパク質を修理しながら、細胞を強化しているのです。
ところが、歳とともにHSPは減少していきます。
だから年齢とともに私たちは体調を崩しやすくなったり、病気からの回復が遅くなったりします。
また、HSPが減ると、代謝が落ちるので、太りやすくなります。
ですから、健康のためにもダイエットのためにも、HSPを増やして自己回復力を高め、代謝を良くするべきなのです。
HSPを増やす方法
HSPは細胞にストレスを与えることで増えるので、加圧トレーニングや運動、そして入浴などで増やすことができます。
入浴なら私たちが身近にできる方法ですし、入浴には他の効果もありますから、ここでは、お湯の熱のによる刺激でHSP(ヒートショックプロテイン)を増やす入浴法をおススメします。
HSP入浴法
お風呂の温度ですが、最も多くHSP(ヒートショックプロテイン)を増加させるためには、お湯の温度を38度から始めて42度まで加温することです。
そして体温を38度に上げることが目標です。
普段シャワーで済ましている人は、熱いお風呂に入ることに慣れていないでしょうから、38度くらいの湯温から始めていき、慣れていったら徐々に温度を上げていきましょう。
ただし、お年寄りの方や心臓疾患のある方は、医師のアドバイスのもとで行ってください。
HSP入浴法の手順
- 入浴前に十分な水分補給を行いましょう。*汗をあまりかかなかったり、脱水症になったりするので、入浴前後で合わせて500mlの水分をとりましょう。
*このときに、甘い飲料を飲んでは効果が下がります。常温のお水が白湯がおススメです。 - 舌下温が測れる体温計を用意して入浴します。
*体温が38度に上がるまでお湯につかりましょう。 - 40度~42度の浴槽に10~20分つかり、体温が38度以上になるよう温めます。
*入浴中の温度が下がらないように、お風呂のふたで首まで覆うようにします。
*半身浴ではないので、肩までお湯につかりましょう。
*入浴時間は合計でも大丈夫です。途中で湯船から出てもいいですが、体温を下げないようにしましょう。
*この休み時間を体や髪の毛を洗う時間とするのがいいでしょう。
*または、湯船につかる前に体や髪の毛を洗うようにしましょう。 - 入浴後には保温しましょう。
*入浴後はすぐに体の水分をふき取り、バスタオルやバスローブで全身をくるみ、熱を逃さないようにしましょう。
10~15分間安静にします。
*このとき、冷たい飲み物を飲まないでください。せっかく温めた体が冷えてしまうので。
*湯温の高い湯船につかると皮脂が必要以上に落ちてしまい、肌が乾燥しやすい状態になりますから、なるべく体が温かいうちに顔やボディの保湿やスキンケアをしましょう。肌の温度が高いとクリームなどの馴染みも良くなります。 - 保温した後は、自然に体温を戻しましょう。
*水分補給もしっかり行いましょう。
*常温の水が良いのですが、のぼせそうなら、冷たい飲み物を飲んでもOKです。
*この時点で、マッサージをして血流を良くして、冷えにくい状態にすると保温状態が長く続きます。
*冷え防止、むくみ防止にもなります。
HSP入浴法をより効果的にするには
- HSP入浴法は、毎日行わず、週2回行いましょう。
*HSP量が最大になるのは入浴の2日後からです。
*1回行うと3、4日間HSPの量が維持できるので、毎日やる必要はありません。
*むしろ、毎日行うと体への負担が大きくなるのでやらないでください。
*即効性がありませんので、長く続けることが少しずつ体質改善になっていきます。 - 長く続けていくうちに、思うように体温が上がらなくなることがあります。そういう時は、この入浴法を1~2週間ほど休んでください。
入浴時の注意事項
- 熱めのお湯に入浴するので、危険なこともあります。体温を38度以上にするには、30~40分程度かかることがあるので、暑すぎると思ったり、のぼせてきたと思ったら、体温が上がらなくても無理をしないでお風呂から出てください。
- おおよその入浴時間としては、湯温が40度なら15~20分、41度なら10~15分、42度なら8~10分です。その日の外気温や体調に合わせて入浴時間を調整していくようにしましょう。
- 湯船から出るときは、ゆっくりと体を動かして、周りの壁などにつかまって出ましょう。めまいがしたり、ふらついたりすると転倒する危険性があります。十分に注意してください。
ヒートショック現象に注意
冬場には、お年寄りがお風呂で倒れる事故が増えますが、これは、温かい部屋から寒い浴室に移動することで生じる温度差によって、血圧の乱高下や脈拍の変動が起こる「ヒートショック」と呼ばれる現象が原因です。
つまり、温かい部屋から寒い脱衣室で服を脱ぐと、血管が縮みますが、そのあと、温かいお湯につかることで血管が急激に広がってしまいます。このように急激に血管が縮んだり、広がったりすることで、血圧が激しく変動します。この急激な変動で心臓に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中という重大な疾患が起こってしまうのです。
冬場の入浴で死亡事故が最も多いのは、お湯の温度が42度だそうです。お年寄りでなくても十分に気をつける必要があります。
ヒートショックを回避するために、冬季は脱衣所や浴室を十分に温めてから入浴するようにしてください。
長湯を楽しむ工夫
お湯に10分ぐらいつかるとなると結構時間をもてあましてしまいます。このHSP(ヒートショックプロテイン)入浴法を長く継続していくためにも、お風呂時間を楽しむ工夫をしましょう。
本を読んだり、歌ったり、マッサージをしてみたりと、自分なりにリラックスできることをしましょう。ただし、防水テレビやモニターを持ち込んでのデジタル系のものは、かえって興奮状態にしてしまうのでおススメできません。
まとめ
いかがでしたか? 毎日お風呂に入って体を温めることは、血流を良くして細胞を活性化させるという素晴らしい効果があります。体が温まれば、ダイエットのためだけではなく、美容と健康のためにもなりますし、病気の予防や良い睡眠、疲労の回復などいいことだらけですね。この日本人の素晴らしい習慣を今後もぜひ続けていきましょう。