
毎日お風呂に入って、髪の毛も洗って、清潔な下着に着替え、洗濯したばかりの服を着て、汗をかいたらこまめに拭き取るなど、体臭にはいろいろと気をつけているのにも関わらず、なんだかツンとしたニオイがする・・・
そのニオイは「疲労臭」、文字通り体に疲労が蓄積されたときに出てくる体臭です。でも、たかが疲労によるニオイだとあなどってはいけません。そのニオイを作り出す物質が体調不良や肥満にも関係してくるのですから。
そこで今回は体臭を消すシリーズ第3弾として「疲労臭」とその対処法についてご説明します。
この記事の目次
こんな生活をしている人はニオっているかも?
困ったことに、自分の体のニオイは分かりにくいものなのに、他人には臭うものなので、周りの人たちが自分の体臭で迷惑しているのに気がつかないことがあります。
でも体臭は普段の食事や生活習慣に影響されやすいものです。以下を見て自分の体臭がニオッてる可能性をチェックしてみてください。
- 野菜をあまり食べない
- 肉食大好き、脂っこい食事も好き
- 料理はあまりしない。外食かコンビニ弁当、インスタントやレトルト食品だよりの食事
- 食事の時間が不規則。夜遅い食事もする
- スナック菓子をよく食べる
- お酒をほぼ毎日飲む
- 喫煙習慣がある
- 夜更かし、睡眠不足になりがち
- よく眠れない、不眠症ぎみ
- ほとんど運動しない
- 便秘がち
- やや肥満
- プチ体調不良
- プチうつっぽい
- イライラしやすい
- ストレスが多い
- 疲れがなかなかとれない
どうでしょうか? いくつか思いあたることがあったら、自分ではニオワなくても、周りの人たちがあなたの体臭で不快な思いをしているかもしれません。
疲れがたまれば誰にでも出る?「疲労臭」
疲労臭は体に疲れがたまっている人なら、年齢や性別問わず発生する可能性があります。
どんなニオイかというと、鼻にツンとくるようなアンモニア臭で、汗が酸化して臭うものではなく、加齢臭のニオイとも違います。
アンモニアといえば、尿を連想しますが、疲労臭と尿とは何か関りがあるのでしょうか?
何故、疲れがたまると疲労臭が発生するのでしょうか?
端的に言えば、疲労の蓄積によって、肝臓がアンモニアを分解しきれなくなったのでアンモニアが体外に出てきて臭うということです。
順を追って説明します。
食物に含まれるタンパク質は、体内で各種のアミノ酸に分解されますが、肝臓に運ばれたアミノ酸はアンモニアを作り出します。
作り出されたアンモニアは、肝臓で尿素へと分解されて腎臓に移動し、腎臓では尿素を尿にろ過して排泄します。
普通ならアンモニアは肝臓でしっかりと尿素に分解され、尿にアンモニアが混じって体外に排泄されるので、体内にアンモニアが残りません。
しかし、疲労が蓄積すると、肝臓の働きを弱めるので、アンモニアを分解する能力も低下します。
そうすると肝臓で分解しきれなかったアンモニアが血管からしみこんで、血液の流れにのって全身にまわってしまいます。
そしてアンモニアは皮膚の毛穴から汗や皮脂に混じって外に出るので、これがアンモニア臭を発生します。
このアンモニア臭が「疲労臭」と呼ばれるのです。
すなわち、疲労臭は肝機能の低下によって発生するニオイだと言えます。
ですから、先にリストアップした項目にいくつか当てはまる人は、体を疲れさせていますので肝機能が低下しやすいので、疲労臭に注意してください。
においやすい場所は、わき、胸、お腹、耳のうしろ、首の後ろ、背中などです。
自分に疲労臭があるかどうかは、家族や友人ににおいを嗅いでもらうことができればお願いしてみてください。
自分で行う体臭のチェック法については、こちらをご覧ください。
疲労臭の改善方法
疲労臭で周りに迷惑をかけないためには、体臭を出しにくい食事と疲れをためこまない生活をすることですから、以下のことを意識して改善して行きましょう。
- 野菜と果物など植物性食品を食事の中心におく
- 肉や卵、乳製品など動物性食品の摂取を極力減らす
- 揚げ物、てんぷらなどの油を多く使った食事を避ける
- できるだけ自炊をして、加工食品やインスタント食品を避ける
- 食事の時間をきちんと取り、夜8時以降は食事をしない
- スナック菓子、甘い飲み物を摂らない
- お酒は毎日飲まず、適量を飲む
- 喫煙をやめる
- 夜更かしをせず、十分な睡眠時間をとる
- 毎日適度な運動をする
- 便秘を解消させる
- 毎日入浴する(シャワーですませない)
- 体を冷やさない生活を心がける
- ストレスをためないようにする
- 休養をとる
- 趣味や好きなことに打ち込む
疲労臭予防に効果的な食べ物
クエン酸とオルニチンを含む食べ物は、疲労臭予防に効果的です。
疲れたときに酢の物などすっぱいものを食べるとすっきりしますが、これは体がクエン酸を求めているからです。
クエン酸は疲労回復の手助けをしてくれる栄養素で、酢のものの他に、梅干しやレモンなどの柑橘類に多く含まれています。
二日酔いにはしじみ汁がいいというのは、しじみに含まれているオルニチンが弱っている肝臓を回復させるからです。
オルニチンはアンモニアを肝臓で分解するのに欠かせません。しじみの他に、キハダマグロ、ひらめ、チーズなどに多く含まれています。
消化で胃腸を疲れさせない
意外なことかもしれませんが、「食べること」は私たちをとても疲れさせる行為なのです。
というのは、食べ物を消化するために使うエネルギーは、フルマラソンや水泳をするのと同じくらいだからです。
特に肉類などの動物性食品を中心にした食事を消化するのには、少なくとも8時間かかると言われてますので、1日の三分の一の時間を消化に費やしてしまうほどの重労働なのです。
ですから、朝昼晩と3食ともヘビーな食事をして、さらに仕事で残業をして、睡眠時間も十分に取れないという生活を続けていたら、疲れが蓄積するのは当たり前ですし、疲労臭も発生しやすくなります。
ですから消化に負担がかかりにくい植物性の食品を中心に食べるように改善してください。
疲れたときは甘いものを食べてはいけない
疲れたときに甘いものを食べると疲れが取れるような気がしますが、それは間違いです。甘いものでは疲れは取れません。
糖分が体内で素早くエネルギーに変わったために一時的に疲れがとれた気になるだけです。
むしろ、甘いものの食べ過ぎは、肝臓に負担をかけてしまうので疲労臭の原因になりますし、脂肪肝にもなりやすく、しかも太るので甘いものは避けてください。
疲労臭の予防法はダイエットにもなる
動物性食品を避け、植物性の食品を中心に食べること、適度な運動をすること、十分な睡眠をとること、毎日の入浴で血行を良くすること、甘いものを食べ過ぎないことなどは、ダイエットにも良いことばかりです。
肥満気味の人は体臭もきつい傾向がありますので、その意味においても、疲労臭の予防法を実践すれば、ダイエットにも効果的と言えます。
まとめ
いかがでしたか。体の外に出てくる嫌なニオイは体の中の状態を表しているので体臭が臭ったら、体内に良くないものがあるというサインだと思ってください。それは溜まった老廃物から発生する毒素だったり、内臓の機能が衰えたことが原因だったりします。だから体臭を消すときは、ニオイの発生源となる悪いものを探って、元から取り去るようにしましょう。そしてニオワナイ体になるために悪しき食生活や生活習慣を改善していきましょう。
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