
ダイエットをしていないときは普通なのに、ダイエットや断食をしているときに限って、ことさら食欲が増したり、普段食べたいと思わないものを無性に食べたくなったりしませんか?
このような食欲は本物ではなく、ダイエットのストレスによるニセの食欲なのです。
そして実際、私たちはニセの食欲によって食べ過ぎて太ってしまってます。
そこで今回は、ダイエットの成功を妨げるニセの食欲を抑える方法について解説します。
この記事の目次
私たちは食べ過ぎている
現代人はその便利な暮らしと社会環境により、日常生活で消費するカロリーよりも、食事によって摂取するカロリーの方が上回っていく傾向にあります。
料理しなくてもコンビニやデパ地下、スーパーなどでお総菜を買えますし、インスタント食品やレトルト食品などで食事をすばやく簡単に用意できます。
おしゃれでグルメな外食店が増えていますし、美味しいものを国内外から手軽にお取り寄せできるようになったことで、あまり体を動かさないでも美味しいものが食べられるようになりました。
でも、これらの手軽な食事や、美味しい食べ物はたいてい高カロリー、高脂肪、高糖質です。
つまり私たちは、運動量よりもはるかに高いカロリーの食事を食べ過ぎているのです。
一方、私たちはこのように多量に摂取した食物を消化吸収するのに、マラソンや水泳をするのと等しいくらいの多大なエネルギーを使っています。
消化にこれほど多大なエネルギーが必要なのに、食べ過ぎてしまうと、体内のエネルギーが足りなくなり、食べ物を消化しきることができなくなります。
こうして消化しきれなかった食べ物が体内に残留し、脂肪となって溜め込まれて行ってしまいますから、太ってくるのです。
つまり、私たちは消化しきれないほどの食べ物を食べすぎていますし、食べるたびに毎回体への大きな負担を強いているので、”食べ過ぎている”ことで自分を疲れさせていると言えます。
そしてこの”食べすぎ”の原因は、”ニセの食欲”によるものなのです。
私たちを太らせるのはニセの食欲
私たちは、”三食食べるのが当たり前”という”常識”や、”時間になったから食べる” という”習慣”に従って食事をしており、 ”胃の中が空っぽになったから、食欲が出て来て、食べる”というものではありません。
また、美味しい食事が手軽に味わえる便利さやグルメ情報によって、私たちの食欲が大きく影響されています。
”お腹が空いたから食べよう”というよりは、グルメ情報を見たり、実際に美味しそうな食べ物が目に入って来て食べたくなったり、”口さみしいから食べようかな”とか、”なんとなく”小腹がすいたなど、私たちの食欲は、本物の食欲ではない場合が多々あるのです。
そのような常識や習慣または情報に影響されて、往々にして私たちは食べ過ぎてしまい、余分な体脂肪を増やしてしまうのです。
そしてダイエットを始めると、今度はダイエット自体がストレスになって、ことさら食欲が増してしまったり、目についたものを何でも食べたくなったり、いつもは興味を持たない食べ物まで食べたいと思ってしまいます。
つまり現代人はニセの食欲に翻弄されて、その結果、太ってしまっているのです。
ですから、”お腹が空いたから食べる”という健全な食欲を取り戻すことがダイエットのためにも健康のためにも必要です。
ニセの食欲を抑える方法
私たちを無駄に太らせているのは、ニセの食欲による”食べ過ぎ”に他なりません。逆に言えばニセの食欲による”食べすぎ”を抑えれば、痩せることができます。
では、ニセの食欲を抑える方法とは何でしょう?
ニセの食欲を抑えるには、健全な食べ方をすればいいのです。
そしてこの健全な食べ方は健康的に痩せる方法と同じことをすればいいのです。
朝から食欲がないのなら好都合、無理に食べなくていい
”朝食を食べなければいけない。一日をスタートするパワーが出ないし、午前中乗り切れないから。”というのは、人が作った”常識”から来るものです。
実際、日本人が朝食を食べ始めたのは江戸時代からと言われており、それ以前の日本人は朝食を食べずに農作業や漁や狩りなどの肉体労働をしていました。
ましてや、今日の私たちはその時代よりもはるかに労働量が少なくなり、便利な機械も使っているので、昔ほど多くのエネルギーを必要としませんから朝食抜きでも午前中を十分に乗り切れるはずです。
生理的にも人間には「体のリズム」があり、午前中は「排泄」するのに最もふさわしい時間帯となっていますから、午前中は何も食べないで、排泄に体内のエネルギーを使うのが体に最も良いことなのです。
逆に朝食を食べてしまうと、排泄のために使われるべき体内のエネルギーが、朝食の消化作業のために使われてしまうので、排泄作業が邪魔されてしまい、朝のお通じがないということになってしまうのです。
ですから朝から食欲がないなら、無理に朝食を食べないでください。
しかし不思議なもので、”常識”や”習慣”に影響されて、朝起きたらニセの食欲が出てくる場合があります。
なのでどうしても朝からお腹が空いて食欲が抑えられないなら、果物だけを食べましょう。
果物なら朝から食べても太りませんし、果物自らが持っている消化酵素が働いてくれるので、午前中の排泄作業を果物の消化作業が邪魔をすることがないのです。
それでもまだ体内にはエネルギーが残っているので、一日をスタートする力や午前中を乗り切る力のためにも使うことができるのです。
朝食に果物を食べて痩せることについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
食欲を抑えるのに一番いい方法は、お腹いっぱい食べること
ただし、太るものをお腹いっぱい食べては意味がありません。
お腹いっぱい食べても太らない、むしろ痩せるのに効果がある食事は、生野菜のサラダです。
生野菜に豊富に含まれた食物繊維が体内の無駄な老廃物を外に出してくれますし、豊富な酵素が無駄についた脂肪を燃焼してくれるからです。
しかも生野菜にはビタミン、ミネラルが豊富でたんぱく質も摂れますので栄養のバランスがばっちりとれても、低カロリー、低脂肪、低コレステロール、低糖質です。
ですから食事のたびに、まず最初に生野菜サラダをたっぷりと食べてください。
ねらいは、サラダだけで満腹になることで、食欲がおさまり、他の食べ物はもう食べなくてもいいと思わせることです。
食べ足りない感は、悪い食べグセが原因
ニセの食欲に翻弄されたり、食べている間に”もっともっと食べたい”と食欲が爆発してしまったり、食べても食べても”食べたりない感”があったりするのなら、あなたの食べ方を正す必要があります。
以下はあなたを食べすぎにして太らせる”悪い食べグセ”と対処法です。
(1)早食い
人が満腹感を覚えるまでは約20分かかりますので、早食いしてしまうと物足りなくてどんどん食べてしまいます。
ゆっくりとよく噛んで食べることを習慣にしましょう。
柔らかい食べ物や汁物はどんどん食べてしまいがちですので、ニンジン、ゴボウなど歯ごたえのある食べ物を先に食べましょう。
野菜サラダはよく噛まないと食べにくいので好都合です。
また食べ物をわざと小分けにして、一皿一皿食卓に出していくという方法も有効です。
(2)ながら食べ
テレビを見ながら、スマホをいじりながら、歩きながらなど、”ながら食べ”も、食べた気がしませんので、満腹感を得ることができません。
ながら食べでは”食べたりない感”があるので、すぐにお腹が空きますから間食もしやすくなりますし、だらだらといつまでも食べてしまうので、結局は食べ過ぎてしまいます。
食べる時は食べることに集中しましょう。
(3)夜遅く食べる
午前中が排泄のために一番ふさわしい時間帯ですが、食べるのに一番ふさわしい時間帯もあって、それは正午から午後8時までの間です。
午後8時以降に食事すると、消化の能力が落ちているので食べた物をうまく消化しきれずに体内に残してしまいます。
体内に残った未消化の食べ物は老廃物となりやがては脂肪として溜め込まれてしまいます。
夕食を食べ損ねた人が、”お腹が空いていると寝れない”と言いますが、それは思い込みです。確かにお腹は空いた状態にありますが、そのせいで寝られなくなるということはありません。
寝られないのは空腹が原因ではなく、往々にしてカフェインやアルコールの飲みすぎ、ストレスなどによる自律神経の乱れが原因です。
むしろ夜遅く食べて、本来は休んでいるべき胃を働かせてしまうことにより、眠りが浅くなります。
どうしても何か口にしなくてはと思うのであれば、カフェインのはいっていないハーブティーをゆっくりと飲んで落ち着かせて床に入ってください。
(4)お手軽な食事
食べることに手抜きばかりしていると、太ってしまいます。
忙しいからとか、楽だからとかの理由で、食事をインスタント食品やレトルト食品、ファストフードやコンビニのお弁当やお惣菜ですませていませんか?
それらの食品には多くの塩分、添加物、防腐剤などが含まれていますから不健康ですし、意外に高カロリー、高糖分ですので太りやすくなってしまいます。
また、これらの食品は加工する段階でほとんどの栄養分が失われている「エンプティカロリー食品」ですので、食べても食べても満足できず、たくさん食べてしまいがちです。
痩せたい40代のダイエットに必須!エンプティカロリー食を撃退しよう!
食事は生命を維持するために必要でとても大切なことです。ぜひ、一食一食を大事にしてください。
太る食べ物への食欲を抑える方法
”甘いものは別腹”と言いますが、お腹がいっぱいになっているのに、好きなものへの食欲を抑えられないということありますよね?
今まで好きで食べてきた物を食べられない、減らさなければならないということは大変なストレスです。
ですからこのようなストレスに負けてしまいそうだと思う方は無理をせずに、以下の置き換えを試してみてください。
そして徐々に果物と野菜を食べる量を増やしていき、太る食べ物と置き換えていってください。
そうすることで、ストレスを軽減して、リバウンドを防ぎ、無理なくダイエットを成功させましょう。
(1)炭水化物の置き換え
白米は玄米に、白パンは玄米パンや全粒粉パンに、ラーメンはこんにゃく麺に変えましょう。
(2)脂っこい食べ物の置き換え
唐揚げ、とんかつ、天ぷら、コロッケなどは”油不使用の調理器”を使用して、出来る限り油の量を減らしましょう。
ギョーザやピザなどの生地に全粒粉の小麦を使いましょう。
豆腐ハンバーグ、豆腐つくね、豆腐肉団子など豆腐製品による置き換え食品を食べましょう。
焼き肉、牛丼、生姜焼きなど肉類の置き換えは難しいのですが、豆腐に焼き肉のたれをかけると肉を食べたかのような錯覚ができますのでお試しください。
(3)甘いものの置き換え
甘いもの、つまり砂糖ものが食べたくなったときは、砂糖無添加のドライフルーツや純正のハチミツを食べましょう。
食欲抑制にはこんなやり方も効果的
(1)軽い運動をする
意外なことに、食欲を抑えるために軽い運動をすることは効果的です。
食欲を感じた時に運動すると、アドレナリンが分泌され血中のブドウ糖濃度が上がったり、血糖値も一時的に上がったりするので、食事をとったような錯覚に陥るのです。
また、空腹のときに運動すると脂肪燃焼効果が上がりますので、相乗効果があります。
ただし、運動をするとカロリーを消耗して運動後の食欲が増しますから運動のタイミングに注意しましょう。
たとえば、食べたのにすぐにお腹が空いた時とか、間食をしたくなってしまった時などに次の食事のタイミングまでの食欲を抑えるために行うというように工夫してください。
(2)歯をみがく
食後すぐ歯を丁寧に磨きましょう。糸ようじや歯間ブラシまで使って時間をかけて丁寧に磨けば、また食べて歯を汚したくないという気持ちになるので、歯止めがききます。
(3)寝てしまう
午後8時以降に食べてしまいそうだと思う人は特に、寝てしまうことが効果的です。
実際、睡眠不足は肥満のもとですからよく寝ることはダイエットに良いことです。
また、痩せるホルモンといわれる「成長ホルモン」は午後10時から午前2時の間に最も多く分泌されるので、そのためにもこの際、早寝してしまいましょう。
まとめ
私たちは常識や習慣によるニセの食欲によって食べ過ぎており、太ってしまいます。ダイエットを成功させるためには健全な食べ方でお腹を満たして、このニセの食欲に打ち勝つべきです。”そうすれば、お腹が空いたから食べる”という本物の食欲をもって健康的に痩せることができますし、その体型をキープし、さらに太りにくい体になっていくことができます。