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脚がむくむワケ
脚のむくみの原因は、静脈の中の「弁」が壊れていることが原因だということがわかりました。
NHK「ガッテン」2016年1月27日OAの番組内容よりまとめさせていただきます。
立ち仕事の方、パソコンに向かって座りっぱなしでお仕事をしている方、セールスなど足で稼ぐお仕事の方、一日の終わりには疲れた脚がパンパンにむくんでいませんか?
夜中に脚がつって「イタタター」ってことありませんか?
脚がつるのはむくみが原因です。
では、どうして脚がむくむのでしょう?
それはどうやら脚の血管がむくみに関係しているようです。
血管には動脈と静脈の2種類があります。動脈は心臓から足の先まで酸素や栄養分を届けてくれる血管です。
静脈は老廃物を持って帰ってくれる血管で、足から心臓の方へと重力に逆らって流れていきます。
つまり、心臓から出た血液は足の方にはらくらく流れますが、血液が心臓の方に戻っていくときは、下から上へと流れるので重力に邪魔されるのです。
静脈血管の中にはだいたい10個から20個ほどの「弁」がありますが、この弁は下から来た血液を流すときに開いて、今流した血液が戻って来ないように閉じるという働きをしています。
しかし、この弁が壊れてしまうと、閉じることができなくなるので、血液が上がってもすぐ戻ってくることになってしまいます。下から上へと行くべき血液が逆流してしまうのです。
上に行くべき血液が逆流して、足の下の方に血液がたまってしまうと、その溜まった血液から余計な水分が周りの細胞にどんどんしみだしてしまうので、足がむくむのです。
むくみを放置すると恐ろしいことが
たかが、むくみだと放置しておいてはいけません。
一回壊れた静脈血管の弁はもとには戻らないので、むくみを放置しておいても自然に改善されることはないのです。
いったん壊れた静脈血管の弁は隣の弁を破壊し、またその隣の弁へとダメージが広がっていきます。そして血液の逆流の勢いが強くなって行くのです。
下肢静脈瘤
上から逆流してくる血液の圧力に耐えきれなくなった下の血管は、蛇行してしまい、皮膚の表面にうき出てきてしまいます。
これが、「下肢静脈瘤」(かしじょうみゃくりゅう)なのです。
このようになると脚に痛みやかゆみが発生して歩くのが辛くなる場合もあります。
皮膚炎
この「下肢静脈瘤」状態をさらに放置していると、足首から下の部分がどす黒くなって「皮膚炎」を起こします。
足の皮膚の下の脂肪が炎症を起こしている状態なので、ものすごく痛がゆくなり、治療や手術が必要になってきます。
参照サイト「知ってください下肢静脈瘤のこと」 http://www.think-vein.jp/about1.html
むくみの状態をチェック
さて、自分の脚のむくみは大丈夫なのでしょうか?
静脈血管の弁が壊れているかどうか、血液が逆流していないかどうかを簡単に調べる方法があります。
1.鏡(姿見)の前に立つ
2.1分ほどじっと待つ(動かないでください)
3.脚をよく観察する
チェックポイント
ひざの下の内側・・・血管が蛇行していて、少しだけぷくっと浮いているのは、血液が逆流しているサイン。
ひざ上・・・毛細血管が紫色に変色してみえるのは、血液の流れが悪くなっているサイン
むくみを改善するには
ズバリ、脚を締め付けるストッキングをはくことで改善されます。
そもそも何故、静脈の弁が壊れるのでしょうか?
長い間立ちっぱなしでいるとどうしても血が下の方に滞りやすくなります。
その時、血液の量が増えるので静脈自体が膨らんで広がります。
これが、脚がむくんだ状態です。
血管が膨らむことにより、閉じていた弁が引っ張られて開いてしまいます。そうすると血液は昇っていかず、どんどん下の方に流れていきます。
この逆流の勢いで弁が傷つけられて壊れるのです。
つまり、血管が膨らんで太くなることが問題なので、脚を締め付けるストッキングをはくことにより、膨らんだ血管が締め付けられて血管はもとに戻って、弁の蓋が閉じられることになります。
初期の段階であれば、このストッキングをはくことで弁の修復もあり得るのではと考えられています。
しかも、脚のむくみが改善されて、スッキリとした美脚に近づいていくのです。
弾性ストッキングの効果と選び方
このように脚を締め付けるストッキングは静脈の弁を守ってくれます。そして、むくみが改善されていきます。
脚を締め付けるストッキングのことを、「弾性ストッキング」と呼び、用途によって3種類あります。
1.医療用「弾性ストッキング」・・・締め付けの圧力が強いが、着脱がしにくい。
2.一般用「段階圧力設計ストッキング」・・・血行促進のため締め付ける圧力が場所によって調整されている。圧力が弱いので履きやすい。
3.スポーツ用「弾性ストッキング」・・・ウエストからつま先まであるタイツ型。ランニングなどに使われる。
むくみが強い人は、甲の部分やかかとがついているものが良いでしょう。脚のむくみの状態や生活状況によって選んでください。
つまり、「弾性ストッキング」ははくだけで脚のむくみや疲れがとれるだけではなく、脚ヤセ効果が期待できるのです。
むくまない生活習慣
心臓から送り出された血液はを、静脈を通って上に戻していくという働きを静脈還流(じょうみゃくかんりゅう)と言います。
しかしこの動きは重力に逆らわなくてはいけないので、私たちの体には静脈還流の動きを助ける働きも備わっているのです。
先に述べた「静脈弁」は、血液を上にあげるために重要な働きをしているものの一つです。
私たちの「呼吸」も血液を吸引しています。
特に腹式呼吸で深呼吸をすると、血液の巡りが良くなります。
脚が疲れたときは腹式呼吸で血液の動きを促してあげてください。
ふくらはぎについている「筋肉」も大変重要な働きをしてくれます。
歩いたり足首を動かしたときにふくらはぎの筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことでポンプのように血液を押し上げてくれるのです。
この働きにより、ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれている重要な役割をになっているのです。
ふくらはぎ筋肉の活性化
第二の心臓であるふくらはぎの動きを活性化することで、むくみがとれるだけではなく、体にとって良いことが起こります。
- 血液循環が良くなるので、肩こり、腰痛、冷え症、高血圧が改善されていく。
- 筋肉の動きによりエネルギーが燃焼して体温が上がる。低体温や冷え症の改善が期待される。
- 代謝が良くなるので余分な脂肪を燃やすことができる。
- 老廃物を体外に出してくれる。
とはいえ、立ち仕事や座りっぱなしの姿勢が日常となっている場合は、意識してふくらはぎを動かす必要があります。
日常のなかでふくらはぎ筋肉を活発にする運動を行っていきましょう。
お風呂の中、お風呂上りに行うのが筋肉が柔らかくなっているので良いタイミングですが、日中でも疲れたなと感じたときに行ってみましょう。
仕事で同じ姿勢を続けているときは、休憩時間やその他折に触れてふくらはぎを動かしてあげてください。
- 足首の曲げ伸ばし
- 足首を回す
- 足の指を回す
- 足の指を引っ張る
- ふくらはぎを下から上へとマッサージ
- ふくらはぎを手でたたく
まとめ
脚のむくみは美脚を目指すためだけではなく、体全体の「良い流れ」のために改善しておく必要がありますね。一日の疲れをその日のうちにとるために、下肢静脈瘤や皮膚炎を予防するためにも、第二の心臓であるふくらはぎをケアーしたいものですね。
また、体の「冷え」による血行不良がむくみだけでなく、女性の体に様々な不調をもたらします。「冷え」の怖さや対策についてもまとめましたのでこちらもご覧ください。
「ダイエットの大敵『冷え』を撃退しよう」https://finaldiet.jp/metabo-diet/hie_teitaion_diet/